相続業務とは、司法書士が依頼者様(相続人)の代理人として、亡くなった方の相続財産(不動産・預貯金・株式・生命保険など)を遺言書もしくは遺産分割協議書の内容に従って各相続人へ承継させる手続を行うことをいいます。

相続においてもっとも主要な手続は不動産の名義変更(相続登記)となります。 とても大変な手続ですが、不動産の名義をそのまま放っておくと売却や融資を受けることができないばかりか、10万円以下の過料に処されることもあります。
(参照:令和6年4月_相続登記の義務化)

また、金融機関(銀行・証券会社など)での相続手続を相続人がご自身で行うことも、非常に手間と労力がかかります。まして、銀行の窓口は平日9時~15時の間でしか対応してくれません。その点、司法書士は下記「相続業務の一覧」に記載された全ての手続を代理人として行うことが できます。

相続業務の一覧

1.戸籍謄本等の収集による相続人の確定
2.公正証書遺言の検索
3.遺産分割協議書の作成
4.相続関係説明図の作成
5.財産目録の作成
6.不動産の名義変更(相続登記)
7.預貯金等の解約手続、残高証明書の発行手続
8.株式、投資信託等の名義変更及び換価手続
9.保険金、給付金の請求
10.各相続人への遺産の分配

相続手続は非常に多岐に渡る上、求められる法律の知識も多くかつ難解です。相続人が兄弟や従兄弟まで及ぶケースでは、戸籍集めだけで数ヶ月を要してしまうこともザラです。ただでさえ大切な家族を亡くされて心身共に憔悴しきっているところに、上記の手続を日常の生活と並行しながら進めなければならない相続人の負担は計り知れません。一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。

また、相続問題はどうしても家庭問題の深部まで掘り下げることになるため、依頼者様(相続人)と専門家との信頼関係の構築が非常に重要です。まして、相続業務は数ヶ月以上の長期間に及ぶケースが殆どです。長い付き合いになる相手ですから、専門家選びは慎重に行ってください。「何となくこの先生には話しにくいな、合わないな」と感じたら相談・見積作成の段階で断ることも大切です。

司法書士の業務範囲表

司法書士 弁護士 行政書士 税理士
法定相続人調査
(戸籍謄本等の収集)
相続財産調査
(残高証明書等の収集)
相続放棄の申立 △※3 × ×
遺言検認の申立 △※3 × ×
遺産分割協議書の作成 △※4 △※4 △※4
相続税の申告 × △※1 ×
不動産の名義変更 △※2 × ×
預貯金の解約払戻し
有価証券の名義変更
自動車の名義変更 × × ×
相続人間の紛争解決 △※5 × ×

※1
国税局長に税理士業務を行う旨の通知をした弁護士は可能
※2
司法書士に任せるケースが多い
※3
代理申請はできない
※4
事案によって異なる。遺産分割協議での代理交渉や、その交渉をまとめた遺産分割協議書の作成は、弁護士のみ可能
※5
認定司法書士に限り、140万円以下の遺留分侵害額請求に関する対応等は可能